2020年4月19日日曜日

暇な人へ お薬のお勉強

新型コロナウイルス感染症のお薬 色々報道されているので 皆さん 声が大きい方のお薬はやく使ってくれ と 望んでおられると思いますが、それは間違いのことが多いです。
既に発売されたお薬について アビカンなど

お薬が開発され実際に販売されるまでに 様々な 過程が必要です。
すでに販売されているお薬は
 医薬品の安全性を調べる試験(単回投与毒性試験、反復投与毒性試験、生殖発生毒性試験、癌抗原性試験、感作性試験、局所刺激性試験、遺伝毒性試験)がすんでいます。
 副作用を予測する試験(薬物動態試験)がすんでいます。
 
臨床試験 第一相試験 フェーズ1 (人での吸収、分布、代謝、排泄、有害事象、副作用を調べる) が すんでいます。
第2相試験 フェーズⅡ 少数例の患者に投与 有効性、安全性、薬物動態の検討する。
これは すんでいません。 対象患者が異なります。病気のどの状態に有効なのかも不明です。 現在 新型コロナウイルス感染症の患者に対して 既存の薬を投与しているのは この段階と考えて良いでしょう。

第Ⅲ相試験 フェーズⅢ 検証的試験  大規模臨床試験です。有効性の検証 安全性の検討を目的とします。 これは他施設、時には多国間で行われます。デザインも難しく、お金も非常にかかります。

いま色々な薬が候補に上がっていますが 新型コロナウイルス感染症と言う病気のどの病態に対して効果があるのか 不明です。フェーズⅡを手探りの段階で行っていると言って良いでしょう。

例えば 新型コロナウイルスの人の体の中での量を減らす、ウイルスの侵入を防ぐ、上気道感染から肺炎になるのを防ぐ、間質性肺炎の悪化を防ぐ、間質性肺炎に対して起きる過剰な免疫反応を抑える、軽症から重症化しないようにする、重症化しても死ななくする、肺の機能の悪化を抑えたり、回復したりする、などなど 色々なところに それぞれのお薬が関わってくると想像しながらフェーズⅡを行っていると思われます。

一般によく使われる市販の風邪薬の漢方薬 葛根湯と小青竜湯について見てみましょう。
2つとも風邪薬ですが全く使われ方が違います。
 葛根湯は 風邪のひき始めゾクゾク寒気がする時に使います。
 小青竜湯は ひき始めと言うよりより くしゃみや鼻水が沢山出て困る時に使います。

新型コロナウイルス感染症は 風邪症状で治ってしまう方もおられます。風邪症状なくいきなり間質性肺炎を起こす方もおられます。味覚障害、嘔吐、下痢症状の方もおられます。

薬が効くと マスコミが騒いだり、SNSで拡散していますが 何にも知らない人が大声を出しているだけです。振り回されないようにしましょう。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿