2018年7月31日火曜日

ザビード p105 三大陸周遊記 角川文庫

ザビードはgooglemapでみると イエメンにある きれいな都市だ。
この本には 私からみると不思議なことが書いてある。

 ーーーついに ザビードに着いた。古都サヌアーまで約百二十マイルをへだて、ヤマン第二の大都会である。バナナその他の果物の産が多く、市民は愛想よく、容姿は優美、ことに婦女子は目覚めるばかりに美しい。市街はアルフサイブと呼ぶ谷間にある。かつて予言者マホメットがムアーズという者にむかい、
「おお、ムアーズよ、フサイブの谷に着いたなら、歩をはやめて行け」といったという伝承があるが、それは美しい女たちにまよわぬようとの心やりからであった。ただ申し分なく美しいだけでなく、心ねの優しい女たちである。異国の人々を重んじ、わがふるさとのおんなたちのごとく、よそものとの結婚をいやがるようなことはない。その人が再び旅に出ようとすると、妻は見送って、ご機嫌よろしゅうという。子供が生まれると、それを大切に育てながら、夫の帰りを待っている。そして夫に対しては、その留守中、日々の暮らしの費用から、衣料費その他何一つ要求はしない。夫が一緒にいる時もできるだけつつましくしている。しかし、この国も女たちは、決して故郷をはなれようとしない。どんな貴重なものを示して、これをあげるからといっても、その国を離れ去ることは肯んじないであろう。---------

これを 読んでいると韓国の妓生(きーせん)を 思い出した。冬ソナが人気がでるまえに 日本の男が韓国に行くといったら 妓生 目当て だったようにおもう。  

この文章以外にイブンバトゥータが 旅行中に 結婚したり 離婚したり、 ギリシャ人の女の奴隷を連れて行ったり している。また 女性の地位がかなり高いところもある。

また ユダヤ人に対する態度がわかるところがある。
p136 
そこへ一人の老翁が入ってきた。頭にまいたターバンには飾り物がついていて背にたらしてあった。スルターンに敬礼すると、法官も教授も起ちあがって敬意を表した。老翁はスルターンと向き合って台上に坐ったのでコーランに読よう̪師たちはその末座にいることになった。「あのシャイフ(長老)はどなたですか」と教授にきくと、笑っていて答えない。 重ねて訊ねると「ユダヤ教徒で医者なのですが、大切な人なので、御覧のごとく、われわれも起ちあがったようなわけで、、、、、」
わたくしの心頭には怒りが燃えたった。そこで、その老ユダヤ人に向い「呪われたものの子の呪われた者よ、何とてコーラン読よう師たちの上に坐りおるか。そなたユダヤ教徒のぶんざいであろうが、、、、」と大声を張り上げた。スルターンはびっくりして、一体何事かと聞いている。教授が説明している間に、かの老ユダヤ人は、しょげかえってそそくさと 広間から姿を消した。宴が終わった後で、教授は「おでかしなされたぞ。アッラーも嘉みたまえ。あのユダヤ人に、あのごとくいえるものは、あなたの外にはない。すこしはおもいしったであろう」といった。

外見が同じように見えても 医者であっても ユダヤ教徒 という ことだけで 下に見られている。  


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