2018年7月1日日曜日

本 スリランカで運命論者になる 杉本良男著 臨川書店

p135
さらに、なにより重要なのは、生得的な身分に基づく差別を忌み嫌ってきた西欧的イデオロギーにとって、カースト制は格好の標的であった。しかし、西欧近代は、獲得的な差異に基づく差別構造には頓着しない。それは西欧近代を支えているイデオロギーが、位階制を基盤としたカトリシズムを根本的に批判してきたプロテスタントのイデオロギーそのものだからである。この意味で、カースト制について根本的に考え直すことは 世界を支えてきた西欧近代イデオロギーへの鋭い批判になるはずである。


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