2020年5月19日火曜日

知的財産権

貿易協定などでいつも問題になる。
エイズのとき議論が活発だった。
新型コロナウイルスの今は IT 通信関連に関し
国家間のせめぎあいが活発になっている。

知的財産権保護 自由貿易 公共性 は 共存し難いが なんとかするしかない。以前はエイズの薬だった。一つの例 JICAよりコピーです


開発と知的財産権
発展途上国が開発の成果を上げて行くためには、先進国や既にテイクオフを果た
した中進国の経験に学び、その制度や技術を上手に取り入れていくことが不可欠で
あろう。つまり、科学技術や生産技術はもとより、法律や社会制度といったいわゆ
るソフトインフラも含めた広義の技術移転が、開発の鍵と言ってよい。よく引用さ
れる「魚を与えるのではなく、魚の採り方を教えるのが真の援助」という言も、こ
れを端的に表している。
しかし、技術移転は決して簡単ではない。歴史、風土、社会の成り立ちは、国や
地域により大きく異なっており、土壌が違えば、同じ種を植えても結果はまるで変
わってくる。加えて、先進国側には、技術移転自体に大きな抵抗がある。途上国の
追い上げにみすみす手を貸してやってよいのかという論理である。知的財産権の存
在も、その効果としては、技術移転の大きな障害となる側面は否定できない。
開発と知的財産権が正面から衝突した近時の例として、エイズ治療薬の問題があ
る。
世界のエイズ感染者のうち圧倒的多数がアフリカの住人であり、しかも彼らの殆
どは極端な貧困にあえいでいる。高価な治療薬には、およそ手が届かない。ところ
が、インドやブラジルなどで、従来の数十分の一の価格でエイズ治療薬を提供する
メーカーが出現した。たいていの薬がそうであるように、エイズ治療薬も製造コス
トそのものはたいしたことはない。価格の太宗を占めるのは研究開発の塊ともいえ
る特許料であり、これを無視ないし迂回すれば安価な薬はできる。
当然のことながら、先進国のメーカーは黙っていない。特許権をめぐる大々的な
国際訴訟になったが、国際世論の高まりもあり、結局、妥協が成立した。途上国向
けに限って安価なエイズ治療薬を認めるというのが結論であり、その実施に向けた
各国間の具体的合意もつい最近成立した。
現在、世界的な潮流は、知的財産権強化の方向へ向かっている。我が国でも、米
国が先鞭をつけたこの流れに乗り遅れてはならじということで、「知財立国」を掲
げて官民共に大キャンペーンを張っている最中だ。国際的には、WTOの枠組みの
中でTRIPs協定が結ばれ、途上国も含め知財制度のハーモニゼーションが進行し

0 件のコメント:

コメントを投稿