2023年11月13日月曜日

病院の閉鎖が相次いでいるが。その理由は色々ある。さてあなたの町の病院はどうする


https://hospital.co.jp/news/%E7%97%85%E9%99%A2%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E9%96%89%E9%8E%96%E7%8A%B6%E6%B3%81%E3%80%802023%E5%B9%B4%E7%89%88/

新型コロナウイルス感染症に対して日本政府がとった政策により 補助金が得られたとか 予防接種事業を行うことによって収入を得ることができた など に より 悪化していた病院経営に対し 少し改善傾向が見られたのは事実である。 しかし 経営状態が悪いのは 継続しているのも 事実である。

なぜそうなっているのか 私の経験から考えてみたい。なかなか医者ではないとわかりづらいところがある。私の家内すら簡単には分からなかった。家内は娘を医者にしようと思っていた。私は反対した。かつて 職域仲間も患者も女医差別が当たり前だった。 また日本政府の政策は医者を追い詰めているのがよく分かっていた。医者は将来すたれていく職業であることも分かっていた。

なぜわかるかと言うこと 医者がすたれていくということ 病院医院の経営はわるくなっていくこと 色々説明していきたい。

私が医学部を卒業したのは昭和53年、 インターン制度は廃止されていたが 今のような研修医制度は確立されていなかった。今は研修指定病院で研修すれば保険医になることができる制度だ。 昭和53年頃 インターンを経ていない 医師免許を取得したばかりの医者の月給は多くて30万円ぐらいだった。 数年経つと大銀行のエリートは医者の月給をすぐに超えると 言われていた。


私が開業したのは昭和63年。その頃医者の多くは所得税申告に 白色申告を行っていた。経費率が70%?認めるというものだった。1000万円の収入があるとすると700万円は経費となり 所得は300万円 その分の所得税税金を払えば良いです。というものだった。例えば実際の経費が100万円ですんだとすると 1000万円の収入があると実際は900万円の所得があるのに 経費率70%で 白色申告すると300万円ぶんの所得税しか払う必要が無いということだった。 それで 開業医は実際の経費を下げようと努力をした。使い捨ての注射器や注射針は使わず自分のところで消毒した。薬の問屋からの買取価格を超安値にした。従業員の給料も安く抑えた。 ゴルフも自腹を切ることはなかったかもしれない などなど である。ところが昭和63年?からは白色申告の経費率は最大50%までしか認めませんということになった。 つまり1000万円の収入があるのに500万円の経費をかけると 500万円の所得となり トントン。  私は経費がいくらになるか見当がつかなかったので 昭和63年から青色申告にすることにした。白色申告は採用しなかった。

そのうち白色申告で認められる経費率もどんどん下がっていった。 いまは経費がどんどん高騰し1000万の収入を得るのに950万かかっているかもしれない。多分ほとんどの医療機関は青色申告をして、しっかり経費を申告していると思う。

つぎに社会保険制度からみていく。 国民皆保険によってすべての日本国民が保険料をしはらい、全国どこでも同等高度の医療を保険証一枚見せれば受けることができる仕組みだ。

少子高齢化、国民の医療を受けたい要求の増加、 保険料と国家の社会保障費の投入では 国民の医療要求には応えられなくなってきた。 社会保険による医療の破綻が目の前に迫ってきたのだ。   存続するためにあの手この手が 考えられてきた。 医療を充実すると国民の人気が高まるが医療を減らすと国民の不満が高まる。 国民にわからないように医療をへらすことが 政策として考え出された。 病院医療から在宅医療へ。医療から介護へ。介護も施設サービスから在宅サービスへ。   また医療費そのものをへらすため薬価をさげたり、薬による収入が 医療費の支出になるので、調剤薬局に分散させたり、ジェネリック医薬品の推奨を行ってきたりした。 そのことは 直接医者の収入減となっている。 などなど なりふり構わない厚労省の医療保険制度維持の施策には 医者うんざり。また 質の悪いジェネリック医薬品のために 死亡者が出る事件にまでなった。 もうこの施策は 限界に達している。 しかし、それに変わることが あるかといえば無いというのが現状だ。  保険料だけをとって保険医療をうけるな というのは あってはならない。 質の高い医療を保険証1枚で全国どこでも受けられるというのが 日本人の誇りではある。

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