2023年7月27日木曜日

病院の新築計画 経営をしたことがあるひとなら。

 

令和2年10月に信濃町から住民に渡された 信越病院の再整備の概要 と 言う
小冊子。 その 一部のコピーです。
普通に考えて収支予測は変です。 新病院が開院すると 収支がプラスに転じています。病床は97床から52床になる予定です。 開院した令和7年度以降 光熱水道費などの固定経費の減額、修繕費と減額を見込んでいるということです。 病床が減ったからと行って 固定経費が減るわけではありません。97床から52床になっても 職員の給料や様々な経費が減るわけではないです。 一般的に言って病院は400床以上でないと 利益が出ないと言われています。いわゆるスケールメリットです。 R12までに医療機器などの借金の返済が終わるので R13から収支がさらに 増加するとされています。医療機器は5年もすればどんどん古くなります。故障もします。 新しい機器を購入する必要があるのです。 お金がなければ 借金をして購入することになります。または機器は購入せず、医療の質を落とすかです。  現在のスタッフも高齢となり 医療の質が低下していきます。  今以上に 病院の評判は悪くなり外来人数も減るでしょう。医者が指示をカルテに書かない限り 病院の収入はないのです。

 一般的な話をしましょう。 私は経営学を勉強したわけではありません。
損益分岐点てわかりますか。
 例えば病院に内視鏡を一台入れるとする。簡単のためサブスクか残価0のリースかレンタルとします。 月額100万円を5年間払うとします。内視鏡検査一人一回10000円の保険収入があるとする。月100回以上検査しないと月額100万円を払うことはできません。 100万円を支払うためには人件費などを考えると 150回の検査をしないと払えないでしょう。 150回以上検査をすると やっとその収入が利益となっていくのです。 その150回が利益になるか 赤字になるかの分岐点なのです。 医療機器を入れるかどうかは そういったことを計算予測して 決めるのです。 月額100万円を払うことができないと予測されて 内視鏡を病院に入れることを決めるのは趣味としか言えません。経営者の立場ではありません。

 また別の話をしましょう。 今度は内視鏡を購入するとします。500万円で購入し 1年ごと100円の減価償却がされるとすると 購入した500万円がすべて経費として計上され収入より500万円減ったことになり、残った分が所得となりそこに 課税されることになります。 経費として計上する意味があるのは 収入が十分にある時なのです。 そして 所得税を払う義務がある団体や個人なのです。収入がない医療機関は課税対象の所得そのものがありません。

 自分が便利だという理由で町の病院の新築を希望してもだめです。 赤字がどんどん増えていきます。 あっという間に 町は赤字の財政債権団体になってしまいます。雪かきなど町独自の施策は全くできなくなります。 おわかりか。

 

1 件のコメント:

  1. コンサルタント会社の見積もりや町の見積もりが変と書きましたが 介護保険制度の利用の予測は 大きく外れました。25年前には介護はお金で という考えはなかったのです。

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