2023年10月19日木曜日

二つの減価償却

私がわかる範囲です。ある自治体で減価償却という考えで会計が進められていましたが、青色申告しか知らない個人事業主であった私にとって 異質な減価償却でした。

1.青色申告をしている診療所が2000年に500万円の内視鏡を購入します。500万円は ある一定額を超えていますので2000年に全額500万円を費用に計上することはできません。原則 償却期間として定められた複数年にわたって費用計上していくことになります。例えば2000年に300万円 2001年に150万円 2002年に50万円 という具合です。
この場合減価償却の目的が 得られた収益に対応した支出のみ費用として計上できるという会計上の考えに基づいています。 ですから 2000年に収入が2000万円があったとしたら費用が300万円かかったので 所得は1700万円です。1700万円に所得税が課税されることになります。 500万円の費用を2000年に計上し1500万円の所得であると申告することはできません。
 青色申告をしている診療所の減価償却の考え方は以上です。
2.つぎにある地方自治体立の診療所が2000年に500万円の内視鏡を購入したとしましょう。
従来であれば地方自治体の会計は単年度で計算します。よって2000年に500万円を支払ったので 支出として500万円が決算書に書かれるわけです。
しかし 最近の地方自治体では減価償却の考え方を取り入れているといいます。2000年に500万円を支払ったとしても300万円の支出しかしなかったということになるのです。2001年に150万円 2002年に50万円 に支出をしたということにするのです。 よって 単年度の支出のあがり下がりが滑らかになるという、見かけ上のトリックなのです。地方自治体は所得税を払う必要がありません。 さらに 支出は住民のためといえば 簡単に議会は承認するのです。支出額が滑らかであればなおさら議会は納得するのです。 収益や所得のことは どうでもよいのです。

以上 二つの減価償却があることを 述べました。

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