2022年1月9日日曜日

本:コーランには本当は何が書かれていたか?カーラパワー著 秋山淑子訳 文藝春秋 

 著者の先生 アクラムの記述で重要な点。を書いておく。 マドラサというと、タリバンを育てた悪の権化のように西欧社会では思われているが、かなり異なる 見方を著者はしている。

第4章 マドラサでコーランを学ぶ

p141

 アクラムはフィクフ、コーラン、アラビア語文法、論理学を学ぶと同時に、シェークスピア、フロイト、サルトルの購読も行った。彼の世代のナドワーの学生は実存主義にかなり思い入れがあった。「ナドワーの基本方針は学生たちに考えることを教えることです。」と彼は言う。「他のほとんどのマドラサが教えているのは、考えることではなくコピーすることです。」

p143

 若いイスラム教徒の女性たちの一団が通った。ゲリラの特殊部隊のように頭と顔をスカーフで覆っていた。アクラムによれば、これは彼がラクナウにいたころから徐々に広まったスタイルで、敬虔さによるというよりも、イスラム教徒という集団的アイデンティへの帰属意識によるものであるという。「アイデンティティ」と言いながら、彼は頭を振った。



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